銀行員5年目~6年目
さて、尊敬できる支店長と仲良しの仲間たちがいて、夫も自称エースだったH支店からK支店に異動となった夫くん。
次のK支店は、銀行の支店ランクでいえばEランクではありますが、県内では政令都市の支店に配属されました。早速引継ぎをして、営業担当として営業開始。H支店でのノウハウを活かし、異動した直後の半期はノルマの1.5倍くらい達成して、支店長からも支店内の行員からも一目置かれていたようです。評価も「S」をもらい、鼻高々だったようです。
K支店での2期目。夫くんと同期の営業担当がいたのですが、支店長から夫くん
と比較され、パワハラを受けていたことから病休に入ってしまいました。毎日営業成績を支店長に報告するそうなのでしたが、毎日お立ち台だったそうです。病休の同期の担当先も追加で担当することになった夫くん。今まで担当していた2倍を担当することになり、必然的に昼ごはんも食べれず、帰宅時間は遅くなり、疲れ切っていました。
ある時、新たに担当した先で社長を怒らせてしまったようです。それから自信を無くしてしまったのか、今までできた営業トークも炸裂せず、だんだん営業成績が落ちてきてしまったようです。会社にも毎日行きたくないというようになってしまいました。
私からしたら、そもそも他の営業担当もいるわけですから、夫くんにすべて一任しないで、分担するべきではないと思うのですが。。。
前の支店での仲間たちと良い関係性を築いていた夫くんなので、責任のなりつけあいのK支店は本当に環境が悪いと言っていました。支店長は飲み会のときドロップキックをするような武闘派ですが、銀行内で「天才」と呼ばれる人でした。営業成績は抜群で、1選抜で支店長になった人です。
ある時、長年温めた案件が発生したそうです。K支店での融資案件は大きくても2,000万円程度。大体1,000万円くらいとのことでした。その案件はなんと16億6000万円ワンピースの懸賞金みたいですね。Sクラスの支店でも「おお、すげえ」ってなるくらいの案件で、銀行としては金利もあるので是が非でも取りたい案件ではあったそうですが、あくまでビジネスなので、依頼する企業もコンペ(競合)になったそうです。
支店長はもちろん、本部の専門チーム、役員も絡むような案件でした。しかしながら、窓口はあくまで営業担当で銀行員歴5年目の夫くん(いうてまだ役職にもついていない)。
確実に取らなければならないので、プレッシャーは相当のものだったとのことです。(※ネタばれになりますが、最終的に夫くんが退職するときは「自律神経失調症」一歩手前まで行きますが、今回は「血尿」が出たそうです。サザエさん症候群はいつも通りあります。)
金額は上記通りですが、金利は融資部との交渉になりますし、なにより、1企業に13億も融資して、破綻したときには銀行もかなりのダメージを受けることから、融資部も通してくれない(営業担当からしたら、案件を取ってくることによっておれらの給料がでるのに、融資部は邪魔をしてくる。あいつらおれらに感謝もしてないし、エリート気取り。本当うざいわ、、。といってました。)
まあ、支店全部の難しい案件を精査して万が一返済が滞ったら融資部のせいですから、融資部としてはリスクがある案件をやりたくないのは当然ですよね。ちなみに融資部のメンバーは次の異動で次長か支店用レベルの人しかいません)
実際、融資部から夫くんは「この案件はやらない、リスクがあるから。」と一蹴。支店長からは「どうなんだどうなんだ、とれなかったら、おれも役員に顔が立たない、なんとかやれ。」、企業からは「早く結果でないの?早く出ないなら、他でやるけど。」
すべてににおいてプレッシャーです。誰も助けてくれません。本部の専門チームも結局は「担当は夫くんだから一番詳しいのは夫くん。」と丸投げしてきてたそうです。
ちょうどこの1年前くらいから同棲をしていたのですが、土日も出勤していたので大変そうでした。「寝ると翌日が来るから、寝たくない。」と現実逃避もしていましたね笑
結果、金額は16憶6,000万円。金利は0.24175%みたいな中途半端な金利で融資案件が通り、競合は0.25112%みたいな金利で、勝ったそうです。案件が決定し、安堵に包まれた夫くんはその日普段はお酒を自宅では飲まないのに、自宅で酔いつぶれるまで飲んでました。
その結果もあってか、6年目で主任に1選抜で昇格した夫くんでした。つづく。
実はこの融資案件は医療モールを作る案件で、その案件を行った張本人の夫くんは、7年目にして本部の医療専門チームに引き抜きされ、異動となります。異動歴や出世をみると夫くんは同期の中でも出世街道まっしぐらだったみたいですね。
銀行員の出世について
ここまでの記事でも少しだけ触れてきましたが、銀行員は出世競争です。一歩でも間違えてやらかせばもう「出世」できません。出世コースから外れた支店や出向先への片道切符をもらいます。
夫の銀行では、
1年目→新人、平行員
6年目→主任
10年目→係長
15年目→課長、調査役 ※支店では課長、本部では調査役という
20年目→次長 副グループ長 ※支店では次長、本部では副グループ長という
22年目→支店長 グループ長 ※支店では支店長、本部ではグループ長という
24年目→部長 ※本部にしか部長はいない
時期不明→役員
とのことです。本部まで行った夫くんですが、「学歴派閥」や「役員派閥」があったそうですよ。夫くんは「副頭取派」だったそうです。
銀行員の年収について
新人→350万円
主任→500万円
係長→650万円
課長→800万円
次長→1,000万円
支店長→1,200万円
おおよそこのくらいだそうです。
夢がありますねえ。ただ、給料はいいですが、ストレス社会です。
コメント