銀行員7年目~退職まで
銀行員の本部行員といったら一般的に「エリートなんでしょ?」って思うかもしれませんが、そんなことはありません。
確かに優秀だから本部っていうのは間違いではないです。しかしながら、支店にだすことができないような行員を本部に留まらせて、支店に迷惑をかけないようにするというケースもあります。
幸いにも夫くんが引き抜きで異動となったのはいわゆる営業推進部。全支店の統括をしている部署で、夫くんは医療分野の法人(病院やクリニック)だけを特化して営業する部署に配属となりました。その中でも主に今は病院に勤務しているけど、個人でクリニックを開業しようとしている先生に対して融資をする開業医担当となったのです。
なので、お医者さんへの融資案件は主に
①新しい土地にクリニックを建てて、そこで開業するから設備資金や運転資金
②親族での事業継承ができない場合、医療法人自体を開業医に売却し、開業医はそのエリアのお客さんを最初から持ってるからお得。事業承継をするため、いわゆる株式を開業医に変えるための株式?購入資金
とのことでした。
私も知らなかったのですが、そもそもそんかピンポイントな案件、開業したい先生が直接銀行に来て融資してくれって言ってくる以外でどこで調べてくるの?って感じですよね。
そのような情報は製薬会社やM&Aの会社からの案件になるみたいです。たしかに新たに開業するって話を聞けばそのクリニックで製薬会社は自社製品を使って欲しいですよね、使ってもらえればシェア増えるし。
なので、今まで支店にいる時は銀行営業担当の夫くん⇄担当企業の社長だったのですが、本部では銀行営業担当の夫くん⇄開業コンサルタント(製薬会社やM&Aの会社、あとは本当の開業医コンサルタント)⇄開業医の構図とのことでした。
また、お医者さんは皆さん人にもよるんでしょうが、遅くまで勤務している会社でお仕事をしています。直接面談の時は夜22時とかでしか不可能です。支店の時は19時には支店のセキュリティ上、誰も入れなくなるので、お持ち帰り仕事はあっても自宅にいるということはありましたが、実際に面談する時(月に8件くらい)は自宅に到着が23時を超えることも多々ありました。
それなのにあくまで本部をでているのは定時17時で、残業代は出ていませんでした。
また、開業コンサルや開業医からしたら、とにかく金額や金利は自分たちの都合の良い銀行で、更に対応が早い銀行で。となるので、いままで「お願いしますよ、社長〜」とお願い営業もありましたが、まったく通じません。まぁ、ビジネスだからそれが当たり前だと思いますがね。
基本的には開業コンサルが作成したら事業計画書を基に融資案件を検討します。あとは開業する場所の周辺に競合の同じ科目のクリニックがないか、どれくらい人が住んでいるのか、利便性はあるのか。将来どのような取引が発生するのか。を中心に考えるので、今まで通りの仕事ではなかったとのことでした。
休みの日も開業医が開業する場所近隣を実際に調査しに行ったりしてましたね、、。
銀行は既存取引先には融資が比較的甘くなりますが、今回は開業医なので経営者としての実績はありません。なので、その分融資部も案件を認可しづらいのです。
本部行員なので、今までは支店長がトップでしたが、今度は部長です。統括しているとはいえ、さらにその上には役員がいるので、ノルマも大量にあります。
一年はやりきりましたが、開業コンサルの無理難題に振り回され、案件認可にならなければ次回以降はおたくには案件を言わないと脅され、融資部からはこれじゃ認可は下ろせないと言われ、部長にはやれといわれ…さらには遅くまで働いているのにも関わらず残業代はでない。ちょうどこのタイミングで長男が産まれるタイミングだったのですが、夫くんの精神はボロボロでした。確かに休みの日でさえも口数は少なく、元気はありませんでした。
毎日夜眠れず、寝れたと思えば真冬なのに汗びっしょり。病院には行きませんでしたが、後から医者に聞いたら「自律神経失調症の一歩手前、そのままいたら鬱病になっていましたね。」と言われたそうです。
ある時、案件を融資部に取り上げた時に「こんなの無理。お前のために一緒に案件を通すために悩みたくもない。は?案件が通らなかったら今後の案件が貰えない?知らねぇよ。」といわれたそうです。(記事に書くのを忘れていましたが、この時の融資部の担当は1支店目で夫くんをいじめた融資課長。その時は支店長レベルまで昇格してます)
その時、夫くんは「なんでこんなに一生懸命やってるのに認められないんだ。毎日辛い思いして。子供が産まれるのに子供に元気ではない悩んでる姿を見せるのは父としてダサいんじゃないか」と退職を決意したそうです。
早速、私の父に退職する旨を伝えて、何も言わずに認めてくれた父。感謝しかしてないです。
なんと子供が産まれる月です。笑 今思えば怖すぎですよね、子供が産まれるのに父が無職って。しかもなにも職決まってない。笑
まぁ、健康が1番なので、私も辞めることに超賛成しましたが。
そこから退職する旨を部長に伝え、人事部との面談で決意は固いことを伝え、退職となりました。
お世話になった尊敬する支店長には直接、よくしてもらったのにすみませんと謝りに行ったそうです。その時も、「辞める前に相談して欲しかったけど、君が決めたことなら仕方ない。これからは上司と部下の関係ではなく、1友人として付き合っていこうな。」と言われたそうで、泣いたそうです。熱いですねぇ。今でもその尊敬する支店長さんとはお付き合いがあるようです。
銀行員編おわり
夫くんも納得できない大学からがんばって信用がある銀行員になったのにパワハラ・職場環境の粗悪さで退職になりました。ちなみに私はセクハラが原因で仕事を退職してます。あとで書きますが。本当この世からハラスメントがなくなってほしいものです。
この記事をみてくださった、銀行員の方、就職活動中の方。実際の夫のリアルな体験談ですので、質問があれば回答させていただきます。気軽にどうぞ!!
さて次は公務員になるまでのお話をしていきたいと思います。
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